母乳育児がうまくいくために

〈 妊娠中から心がけたいこと 〉

・ 適度な体重増加を(ふだんの体重にもよりますが 7~12kgくらい)

・血液循環がよい(ストレスをためない 散歩 水泳 ヨガなど)

・体のしなやかさ(ストレッチ 適度な体操 ぞうきんがけ)

・体を冷やさない(素足や冷房に注意 温かい飲み物 レッグウォーマー)

・36週に入ったら、乳首を少しやわらかくしておく(指でやさしく)

 ★母乳育児や赤ちゃんのことを知っておくと、産後にあわてなくてすみます。

  拙著『育児は生き方』に、知りたいことや具体的なやり方が出ています。

 

〈 産後の1か月はとても大切な時期 〉

悪露(おろ)を生理と同じように思っていませんか?

最近では、入院中にシャワーを浴びることもできるので、産褥期という自覚を持ちにくいようです。

退院したら1~2週間は自分がやらなくてもいいことはやってもらい、お母さんや手伝ってくれる人にたよることが大事です。

 

母乳が出るようになるためには、ただ授乳回数を増やしたり、乳首を長く吸わせてさえいれば出るようになるというものではありません。

出産後の早期ほど、母乳分泌に関係するホルモンは、心配や不安などの精神的緊張感、体の疲れ、睡眠不足などのストレスで分泌が抑制されるからです。

 

授乳が終わって赤ちゃんを寝かせたあと、日中は布団やベッドに横にならず、ソファーでごろんとして、スマホで調べたり、メールをしたりして過ごす人が多いようです。

今の時代、それがふつうのことなのかもしれません。ご本人も案外くつろいでいるのかもしれません。でも、産褥期は、心身の負担を軽くして、ゆったり、のんびり過ごして体をいたわってください。

 赤ちゃんの世話が終われば、好きな音楽をかけたりして、フトンに横になって心身を休めましょう。

眠ろうとするのではなく、同じフトンに赤ちゃんを寝かせ(母子同床)顔を見ていると自然に眠ってしまったといった感じでいいのです。

 

〈 こんなことを心がけたらいいですよ 〉

・「吸えない」「授乳ができない」は、なるべく早く相談室へ

・授乳間隔や飲んだ量はあまり気にしない(細かく記録しない)

・母乳分泌は個人差が大きいので、他の人と比べない

・食べ物のあれダメ、これダメの情報はあまり気にしない

・のどが渇くからとガブ飲みはやめる。水分はほどほどに!

・体、特に下肢を冷やさない(冷房や素足に注意)

・母乳かミルクかと決めないで大変な時はミルクを足して休む

・完全母乳を目指して頑張らない。肩の力を抜いてやっていく